ザオ・ダオは1990年代生まれの情熱的な中国人女性アーティスト。彼女の作風はその落ち着いた静かな雰囲気と共に、勇猛で幻想的な雰囲気を併せ持つのが特徴です。
彼女の最初の画集『Song of Sylvan』は2015年に出版され、インクで描き出されたユニークな世界観を私達に届けてくれました。そこに登場する妖精や怪物は世界中の読者に強烈な印象を残しました。それ以来、threezeroはザオ・ダオとともに1/6フィギュアのシリーズを展開し始め、その第一弾は『Song of Sylvan』に登場するクロウティースでした。
2016年には、次のアートブック『Ink of Wild』が出版。2012年から2016年にかけて作成された短編コミック・イラストの他、幼少期から10代にかけて描かれた作品や、彼女が作り出した怪物に関する章、旅行記の章、そして以前の作品のスケッチが収録されました。
そのユニークな画風から、ザオ・ダオは中国で新進気鋭のアーティストとなりました。threezeroは2018年にはザオ・ダオと『リトル・バグズ』のスタチューで再びコラボレート。これまでのムーディ―なスタイルと打って変わり、繊細ながらも生き生きとした側面を披露してくれました。
そして2021年、ザオ・ダオの初の長編コミック『Fishergirl and Little Sea Elf』が制作進行中で、threezeroはこれに基づく1/6スケール・フィギュアを発表。「1/6 フィッシャーガール&リトルシーエルフ」として、threezeroXラインからのリリースとなります。threezeroXの「X」は「クロスオーバー」を意味し、このラインはアーティストとのコラボレーションによるハイエンド商品を展開するシリーズです。通常版の「1/6 フィッシャーガール&リトルシーエルフ」は6インチサイズのフィッシャーガールとリトルシーエルフのフィギュアと老犬のスタチューがセットになっており、デラックス版はそれに加えて魚の骨のスタチューとアートブックがセットになっております。
ザオ・ダオへのインタビュー
Q1: ブログで貴方は日常を描写しておりますが、そこから情熱と愛情を感じられます。どうやってそのような想像のきらめきを沢山得ることが出来ているのですか?
A1: 私は内向的でして、絵を描く時はいつも一人です。最近は身の回りの興味深い人や物に注目するようになり、それらを記録しておきたいのです。私の作品を通して徐々に、様々な偉大な人たちと出会うようになりました。そこでの意見交換を通して、私はより開かれ、そして成長していっているところです。
Q2: インクによるペインティングという創作手法を選んだ理由は何ですか? また、これまでに遭遇した苦難は?
A2: 中国式の筆を使ってインクでのペインティングを初めて練習した時は、手がすごく震えてしまいました。なのでそこから数年間は万年筆に切り替えていました。ですが生き生きとした感じが足りないと思うようになり、再び中国式の筆に持ち替えました。中国式の筆で描くことで強烈な生き生きとした雰囲気が生み出せるため、私はそれに夢中になっています。
私のキャリアで一番難しいことは、エネルギッシュさの維持です。なので色々なことに挑戦しています。
Q3: 貴方の絵が立体物になったのを見てどう感じますか?
A3: threezeroによって、このように精密なディテールを持ったフィギュアが私のスケッチから生まれるところを見るのはすごく面白いです。フィギュアはすごく生き生きとした出来で、愛らしいです。
Q4: 貴方の画集は、自然と出てくるものなのでしょうか? それとも長期間計画を練った末に出て来るのでしょうか?
A4: スケッチは継続的に取り組んでおり、それらが徐々に短編の物語になっていき、そして画集へとなります。
Q5: 貴方の作品をアニメ化しようと思ったことはありますか?
A5: 今のところは考えたことはありません。絵とは異なり、アニメ作成にはたくさんのマンパワーとチームワークが必要ですから。今のところ、私は自分の次の画集に先ず注力します。
Q6: アートの道を選ばなかったとしたら、どんな道を進んでいたと思いますか?
A6: 子供のころから絵を描くのは大好きでしたし、私の趣味は全てアートに関係するものです。彫刻、ファッションデザイン、ガーデニング等々。私は色々なことに興味を持っておりますので、食べ物、音楽、スポーツといった他の趣味を探求したい気持ちはあるのですが、すぐに投げ出してしまいます。絵を描くことだけが、私の興味を惹き続けられています。
Q7: 絵を描くこと以外では、何をするのが好きですか?
A7: ハイキングとガーデニングが好きです。植物が育っていくところを見ると、リラックスして生きている実感が沸きます。
Q8: 貴方の作品は主に幻想的な世界を描いたものですが、それに興味を惹かれる理由は何ですか?
A8: 私の作品の多くは、子供時代とその時過ごした村に影響を受けていると思います。村では怪物や妖精に関する話がとても人気がありました。また90年代からは、吸血鬼や武術に関する映画が私のお気に入りです。この手の文化に夢中になっていきました。後々、古代の伝承を調査した際に、私たちの祖先はその文化や宗教を表現するのに素晴らしい芸術的センスを持っていたことを知りました。そのため、想像力豊かな古い物語に触れると、何かを作りたいという衝動に駆られます。なので今後もこの題材に取り組んで行くと思います。
Q9: フィッシャーガールとリトルシーエルフはどこから着想を得たものですか?
Q9: いつだったか具体的には覚えていないのですが、新型コロナの流行の数年前だったかと思います。私は両親を連れてとある村へ旅行に行きました。すごく落ち着いてリラックスした環境で、犬が地面に寝そべり、ヤシの木がそこら中に生えていました。シュノーケリングした際には、水面に反射する陽光を見ました。穏やかで豊かな時間を過ごし、人生について考えることができました。そこで過ごした時間が恋しいです。そこから、フィッシャーガールとリトルシーエルフの物語の着想を得ました。
Q10: 近頃の貴方の画風は以前の作品から大分変わっているように見受けられます。何らかの体験が影響しているのでしょうか?
A10: はい、今回のプロジェクトに着手する前に、長い休暇を取っておりました。よって今は、罪の意識が半分、創作の喜びが半分といった気持ちで描いています。
Q11: フィッシャーガールとリトルシーエルフのキャラクター紹介をお願いします。
A11: この物語は、小さくて勇敢なフィッシャーガール「シム」と、21歳の老犬の冒険に関するものです。リトルシーエルフ「シュウ」はその能力と知恵を隠したがっています。この子たちはいつも一緒にいます。
Q12: 貴方はこれまで多くの作品を作って来ましたが、今のところどれが一番のお気に入りでしょうか? また、読者へのメッセージを何かお願いできますか?
A12: 全部の作品が気に入っています。私の作品の、シンプルでメロウな感じを読者の皆様も楽しんでいただけると幸いです。